D級アンプはスピーカーテスター!?

そういえば、アンプの箱入れや改造の検討ばかりで、リビングのシステムに組み込んだときのバランスをみていませんでした。

これまで我が家のリビングのシステムは、 Panasonicのちょっと高かったミニコンポと、ハセヒロのMM-151にTang Band W3-582SCを二発使ったバックロードホーンです。
以前はCECのアンプとPHILIPS&MarantzのCDを使っていたのですが、アンプ片チャネル死亡し、田舎から持ってきたミニコンで我慢してました。一応、テクニクス時代の名残のNewClasssAアンプではありますが。。

iPodとLXA-OT1をバックロードに繋いでみました。

・・・・・  だめだこりゃ。。。  全然あってない。

この手のバックロードにつけるスピーカーは、高剛性/軽量な振動板でダンピングの高いものが必要ですが、ハセヒロのバックロードホーンは、もともとターゲットとするスピーカーユニットがあって設計されてるわけではなく、使用したユニットも低域を欲張った8cmをパラって、さらに共鳴を抑えるために空気室とスロート部に吸音処理をしていました。

バックロードというだけでトリッキー(変則的)なスピーカーなのに、さらに変な事をして使っていたわけですが、CECでは抑え込めてい(または現れにくかった)た変なところが、LXA-OT1だと、モロに変な状態のまま音に出てきちゃいます。
具体的には、ホーン長に起因する共鳴がひどいのと、150Hzあたりの反転ディップと100Hz以下の音痩せが顕著に現れます。

物量投入A級のCECでほぼドンピシャ、なんちゃってA級のPanasonicでは少々甘くなり厚みが出てたところで、D級のLXA-OT1でスカスカ/モコモコと来れば、スピーカーが悪いのは明らかです。

LXA-OT1は一部から「スピーカーテスター」とも言われてたりしてて、(好みは別にして)このアンプで普通に鳴らないスピーカーは設計がおかしいとも言われてたりします。
まあ、ちょっと考えれば当たり前のD級アンプ一般的な話で、A、AB、B級などのリニアアンプのように半導体の「半導」状態を使うアンプに比べれば、D級の半導体は、0(=グランド)か1(=電源電圧)の「スイッチ」しかしていないので、原理的にリニア動作と比べると内部抵抗が無視できるほど小さく、出力インピーダンスはLPFのインダクタンス成分が支配的になり、周波数が低くなればなるほど出力インピーダンスが下がり(ダンピングファクターが上がり)、リニアアンプと比べるとスピーカーのドライブ能力が上がることになります。
内部抵抗が小さいことは、D級アンプICが「ほとんど発熱しない」ことからも明らかです。
(通常、リニアアンプはNFBで出力インピーダンスが小さくなっています。)

このため、特にアンプのドライブ能力が顕著に現れる低音域について、これまで鳴っていた低音が、実は内部抵抗が高いアンプのおかげでダンピング不足になったスピーカーが共振していたために出ていただけだったと言うことを、D級アンプ(デジアン)がバラしちゃうことがあります。

ネットの情報見てますと、人によっては、デジアンは音がスカスカに痩せるという方がいらっしゃいますが、比較対象のアンプと組み合わせてるスピーカーの情報をあわせると、アンプというより組み合わせるスピーカー側に原因があることが多いように思います。
(「問題」ではなく「原因」です)

で、我が家のヤンチャさん(B型)が凹ませ、剥ぎ取ったセンターキャップのあとも痛々しい、超変則バックロードちゃんは、新戦力投入により、もともと苦手な男性ボーカルがさらにひどくなってしまったこともあり、戦力外通告と相成りました。

戦力外通告はいいけど、スピーカーどうすんべぇ。。